退職金の税金?

2017/02/01 3:04 に 山川正洋税理士事務所(代表) が投稿

 退職金にかかる税金はどのように計算されるのでしょうか?

会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、「退職所得控除額」などを考慮した上で退職所得が算定されるため、退職金にかかる税金が優遇されます。この「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、退職金の20%の所得税が源泉徴収されることになっています。

 退職所得の受給に関する申告書を提出している場合、退職金の税金は、次の表の退職所得控除額を超えた場合にかかります。

勤続年数(=A)

退職所得控除額

20年以下

40万円×A(80万円に満たない場合には、80万円)

20年超

800万円+70万円×(A-20年)

例えば223カ月の人が退職した場合

退職所得控除額=800万円+70万円×(23年―20年)=1010万円

223カ月⇒23年に切り上げ

この退職所得控除を超えた場合には所得税等がかかることとなります。

例えばこの人が1200万円の退職金を受給した場合、退職所得は次のようになります。

(収入金額―退職所得控除額)×1/2=(1200万円―1010万円)×1/295万円

この95万円に次の表の計算式に当てはめて所得税を計算します。

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5

0

195万円を超え 330万円以下

10

97500

330万円    695万円

20

427500

695万円    900万円

23

636000

900万円    1800万円

33

1536000

1800万円超

40

2796000

ここの場合、退職所得金額が95万円なので、

所得税=95万円×5%=47500円 住民税=95万円×10%=95000円 となります。

つまり、この人の退職金の手取り額は(退職金1200万円)―(所得税47500円)―(住民税95000円)=(11,857,500円)となります。1200万円の退職金に対して142500円の税金は安く感じます。このように、退職金では税金は優遇されています。この退職金をうまく活用して会社の節税につなげたいものです。

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